須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成28年2月号掲載
 因果の理
今年は、年末年始と雪が全くない状況で、このまま春を迎えるのではないかと錯覚するような天候が続いていました。しかし、1月も中旬になるとさすがに雪が降り、新潟の冬が始まった感じです。
 さて、表題ですが、二宮翁夜話の一つで、二宮尊徳の語ったことを現代語訳したものです。

  『善因には善果があり、悪因には悪果が結ぶことは、みんなよく知っていることだが、これが目の前で起こり始め、目の前で結果が表れてくるもんなら、人々はよく恐れつつしんで善種を植え、悪種は除くように努力するだろうが、いかんせん、今日蒔く種の結果が表れるのは十年も二十年も、さらに四十年も五十年もの後になるので、人々は迷って、恐れる心も起きないんだ。
嘆かわしいことじゃないか。

 その上に前世の宿縁もあって、因果の関係がはっきりしなくなり、どうしようもなくなるんだな。ここんとこが世の人の迷いの根本なんだが、しかし世の中のことすべて、原因のないものはないし結果のないものもない。
 一国の治乱、一家の興廃、一身の幸不幸、みなそうなんだ。
 だから恐れつつしんで迷うことなく、善種を植え育てることを勤めるようにせにゃあいかんのだよ。』

 私の事務所でも安岡正篤の言葉をベースにして行動指針としています。

            不昧因果
(因果の法則を曖昧にせず)
 良いことがあったと言うことは過去の良い原因の結果が出たということである。悪いことがあったということは過去の悪い原因の結果が出たということである。いずれの場合も、結果が出て0となったわけであるから、有頂天になることも悲観することもない。故に、絶えず良い原因をつくることに邁進すれば結果はついてくる。結果を急いではならない。短期間においては、良い原因をつくっていても悪いことが続くこともあるが、30年位のスパンで考えれば、良い原因にしろ、悪い原因にしろ、そのとおりの結果が出る。
原因は選ぶことができるが、結果は選ぶことはできない。
 時代は違えども、偉人は同じ考えを持つことに共感を覚えた昨今でした。

    
                所長 須田幸英
 事務所通信2月号掲載
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